記事一覧

信用保証書交付後業態が悪化するおそれがあるときはどうしたらよいか

甲銀行は顧客A社に対する保証付融資の保証決定を3月1日に受けた。その後、3月5日、甲銀行で割引中のB社振出の手形が不渡りになったが、A社は資金繰りにより買い戻しを完了した。さっそく甲銀行はA社を呼び事情を聞いたところ、事業継続上重大な支障も無いとの判断で、引き続き与信を継続することに決めた。保証付貸付は実行して差し支えないか。

原則として貸付実行をして差し支えない。

善管注意義務との関係 
債務者に対する既存債権について延滞等がなく、かつ当該銀行が引続き与信行為を継続する意思を有していた以上、融資実行は差し支えないと判断すべきである。金融機関と信用保証協会の約定書例9条では、金融機関は保証付債権の管理にあたって、金融機関のプロパー債権と同じく、常にその保全に必要な注意を払うべきことが規定されている。

万一、金融機関においてその判断に疑義が生じるならば、貸付実行をする以前に信用保証協会に事情説明をし、了解をとって融資するのも安全な方法と考えられる。

甲銀行は、A社に対する融資につき、信用保証協会の保証承諾を受けた。その後、A社の主要得意先が倒産したので、甲銀行はA社に対する保証付融資を中止することに決定した。信用保証協会に対して行うことはあるか。

貸出中止をした理由書をつけ、すみやかに信用保証書を返却する必要がある。

信用保証書の返却
金融機関は、約定書例9条により保証付債権の管理にあたっては、金融機関のプロパー債権と同等の管理をしなければならないこととなっている。したがって、金融機関において信用不安と判断し、貸出を中止することに決定した以上、保証付融資であっても当然のことながら貸出をしてはならない。また、金融機関は保証付融資につき、貸付実行後遅滞なく信用保証協会に通知しなければならないこととなっている(約定書例4条)。この趣旨は、信用保証協会において保証契約の効力が生じたか否かを的確に把握することが重要であることを示しており、金融機関において貸付実行を中止すると決定した以上、すみやかに信用保証書を返却する必要がある。