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信用保証委託申込書・信用保証委託契約書とはなにか

信用保証委託申込書および信用保証委託契約書とはどのようなものであり、金融機関の銀行取引約定書等の貸出約定書とはどのような関係にあるか。

民法上、保証は主債務者の意思にかかわりなく債権者と保証人との合意により成立するが、信用保証協会の保証は中小企業者(債務者)の委託に基づき行われる保証で、信用保証委託申込書はその保証を委託するための申込文書であり、信用保証委託契約書は保証委託に伴って生ずる委託者の義務の遵守履行に関する契約書である。また同委託契約書は、保証委託者(債務者)が金融機関との貸出約定に基づいて借入れした債務の全部または一部が履行遅滞となり、信用保証協会が金融機関から保証債務の履行を求められた場合はこれを弁済し、信用保証協会が金融機関の有していたすべての権利について求償権の範囲内で代位することができることを定めている。

信用保証委託契約は貸出約定と一体となり債務者に効力を有す信用保証の仕組は、信用保証協会が中小企業者から、金融機関からの借入れについて保証の依頼を受けることを前提としているが、この保証の依頼を受ける契約のことを信用保証委託契約と呼んでいる。この信用保証委託契約を具現化したものが信用保証書の発行であり、金融機関ではそめ条件に従って貸付を実行しなければならない。

信用保証協会の信用保証委託契約の締結に基づく信用保証書め発行行為は、債務者に対する求償権の発生原因となると同時に、金融機関に対しては、保証債務の負担というかたちで権利と義務が同時に発生することとなる。この信用保証委託契約は、債務者の金融機関に対する債務不履行のときは、信用保証協会が債務者に代わって弁済をなし、金融機関の有するいっさいの権利を取得するとともに、債務者に対しては求償権を行使するという内容を基本としている。したがって、信用保証委託契約は金融機関の貸出約定(銀行取引約定書・金銭消費貸借契約書等の各約定)と一体となって、債務者に対し効力を有することとなるが、次の事項が主な契約内容である.

①金融機関からの借入債務に係る保証の委託 この契約により信用保証協会が将来発生する求償権を取得する

②信用保証協会の債務者に対する権利として、
ア.信用保証料、損害金等の徴収
イ.保証人および担保の提供(増担保を含む)の請求権
ウ.求償権事前行使の権利
エ.代位弁済履行の方法と代位の範囲
オ.求償権行使の範囲
カ.弁済充当順序の選択権

③債務者の信用保証協会に対する義務として、
ア.財産、経営、業況の調査協力
イ.公正証書の作成
ウ.費用負担

④連帯保証人との特約条項として、
ア.信用保証協会との保証負担部分
イ.保証責任と履行の範囲

⑤管轄裁判所の合意

⑥契約の変更

金融機関の貸出との関係においては、前記の趣旨に照らし、信用保証協会では、代位弁済のときは金融機関の原債権に対して有七ていたすべての権利を引継ぐことになるから(民法501条)、信用保証委託契約に参加していない連帯保証人を徴求したり、第三者から物的担保の提供を受けるときは、信用保証協会との保証負担部分についての調整が必要となる。なお、この結果、保証協会では、求償権の行使にあたっては金融機関の有している権利(貸出約定)をそのまま援用して保全取立を行うこととなる。

信用保証書に有効期間はあるか

A社に対する1,500万円の貸付につき、信用保証協会に保証申込中のところ、不動産担保設定を保証条件として3月19日付の信用保証書の交付を受けた。ところが、不動産担保設定関係の書類の準備に時間を要することになり、貸付実行が4月なかば過ぎになることも考えられる。それまで信用保証書は有効なのか、信用保証書をとりなおす必要があるのか。

信用保証書の有効期間は発行日(保証日)から3O日以内。保証協会が特に認めた場合は、60 日まで延長できる。信用保証書の有効期間中に貸付実行をしないと保証契約の効力は発生しない。その有効期間は、約定書例2条2項により保証書発行日(保証日)から30日目(1ヵ月ではない)までとなるので、4月18日までに貸付契約を行う必要がある。ただし、担保設定関係書類の整備が特別の事情で遅延するため貸付契約が30日目までに不可能なときは、信用保証協会の承認をえて保証書発行日(保証日)から60日目まで延長してもらうことができる。

原則30日で例外的ケースのみ延長可能
保証書の有効期間中に貸付実行しないと、保証契約は無効となる。信用保証書の交付を受け信用保証契約が成立した後は、貸付実行は金融機関の都合のよいときにやればよいということではない。信用保証協会が保証承諾するについては、債務者の信用状態に変動がないことを前提としている。

しかし、企業活動は動態的であるから、保証契約の効力発生(貸付実行)時の信用状態が保証契約の成立(保証書の交付=発行)時に比べ変化がないとはいえないので、信用状態の変化が比較的少ないと考えられる期間を30日として有効期間を定めている。ただし、約定書例2条2項但書で、例外的に延長を認めている。実務上認められている主な例外的なケースとしては次のような場合がある。

①担保設定手続の遅延
②公正証書作成事務の遅延
③機械等の設備着工の遅延
④商手の入手遅延

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